福寄せる響きと

青葉若葉が萌えいずる、皐月の空に響く声。
軽快な笛の音を背に、老若男女が入り乱れ、
ソーレソーレと跳ね回る。

用務でみちのく宮城を訪ねる機会があり、
しばしその週末、旅気分を味わいました。

桃山建築の粋を集めた華麗な建築を拝し、
鄙の華人と呼ばれた政宗公のご遺徳を偲びつつ。
整然と伸びた街路樹の一つ一つ、煌びやかで艶のある衣装、
この町の誰もが、その美しい継承者であることを認めるに至りました。

眩しい梢から降り注ぐ光の中に、
杜の都の名に恥じぬ、絢爛豪華な山車絵巻。
その中に、ひときわ目を引く山鉾を見つけました。

見上げるばかりの大太鼓を乗せ、奏者がその両側に陣取り、男伊達を競います。
脇を固める女性奏者の締め太鼓、山鉾を引く大勢の面々。
都会の大路を静々と、六尺褌を締め上げた若者がバチを振るう様は祭の真骨頂。
沿道からは喝采が沸き起こり、惜しげもなく拍手が寄せられます。

見るからに打ちなれた卓越の者もあれば、
戸惑いながらも促されるように太鼓へ向かう姿も。
初めてこの山鉾に上ったという若い奏者の、緊張と充実に満ちた表情が印象的。
まだ細く、それでいてしっかりと鍛えられた身体に締め上げた六尺は
太鼓に寄せる気迫そのもの。

脚をしっかりと据えつけながら、
山鉾が進むにつれ、時折バランスを崩しそうになる時々に、
後ろからそれを支える諸先輩方のご配慮も、美しいものでした。

女性奏者も印象的でした。
見るよりも相当の体力が要るバチ捌き。
体の重心を下げ、体躯を大きく超える目の前の大太鼓に立ち向かう様は、
まさに「格闘」以外に言葉が見当たりません。

鮮やかな緑色の街を背景に、打ち鳴らす福招きの大太鼓。
東北の復興を心に誓いながら。
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