晒木綿あれこれ

六尺褌の素材として代表的なものが、晒木綿(さらしもめん)です。
晒木綿は文字通り、木綿を晒して白く仕上げたもので、
通称「サラシ」と呼ばれます。

サラシと一口に言いましても、
昔ながらの熱処理を施した和晒、
薬品処理を施してより白く仕立てたものなど、様々な種類があります。
殊に日本料理に使われるものは、出汁取りに無くてはならないものですが、
これには無漂白のものが用いられます。
ところが近年では、若年層に晒そのものが知られていないようです。

サラシは万能の布地で、胴巻として、
妊婦には岩田帯としての存在感は健在です。
古くはおむつにも利用されてきましたが、機能性の高い紙おむつの台頭で
ベビー用品としてドラッグストアで見かけることも少なくなりました。
布おむつも、伸縮性のあるドビー織が主流のようです。

さて、その「サラシ」にはどのような種類があるのでしょうか。
あまり知られていないのですが、
実は糸の太さや織によって大きな違いがあります。
一般的に薬局薬店で売られているのが、安価な「文」規格
手拭などの染めに用いられることの多い「岡」規格
浴衣などしっかりコシのある「特岡」規格
大きく分けてこれらですが、「特文」と呼ばれる規格も存在します。

ただ厄介なのは、こうした明確な表記がなされている商品は多くありません。
また、関東地方では「文」と呼ばずに「総理」と呼ぶようです。

布生地の幅についても、32cmであったり34cmであったり、
それぞれの製造元によって規格が異なり、長さについても
「6m保証」といったような表記がなされています。

「昔からそうだから」と言われればそれまでで、
このような緩やかな規格が生きているのも
それはそれで趣深いものです。

ただ、このような規格の違いがあることがあまりにも知られていないために、
時折祭礼などで、どうにも不格好な六尺褌を見かけることがあります。

薄手の「文」は風通しも良く、物を濾すのに使われますので、
捻じり上げる祭の締め込みには、聊か頼りないところがあります。
体格の良い方であれば、「岡」をお勧めします。
ただ、二重にして締め上げる場合には「文」の方が軽く柔らかです。

捻じらず、また腰の安定を求める場合には「特岡」をお勧めします。
水を浴びるお祭りではこちらが透けにくいという利点もあります。
また生地がしっかりしていますので、前垂れ式の六尺を締める時のように
縦ミツが一重にしかならない場合は安定感があります。

具体的な商品名では、
「御殿晒(月)」、「御殿晒(天)」
「雪かもめ晒」「特上天上晒」が
私のお勧めです。

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